夢も趣味も遊びも恋愛も家族も、すべてが後回しでした。

僕にはお金がありませんでした。
家族も同様にお金がありませんでした。

あるのはただ忙殺する毎日だけです。

なので働きつづけなくてはいけませんでした。

金が無いことを理由に友人や女の子たちとの
カラオケや飲み会などは断り続けました。

「金が無ければ親から借りればよくない?」

こんな事も何度も言われましたが
僕には意味が理解できない言葉でした。

当然、僕を遊びに誘う友人は次第に減っていきます。

仕事の上司からは
「休日は本気で遊ぶな!何よりも優先なのは仕事だ!」
と言われたこともありました。

毎日、楽しみにしていた食事も
疲れ果てて喉を通らなくなってきました。

『自分より貧困層に比べれば幸せだ…』

と自分に言い聞かせて生きる人生と

『僕は心身共に自由で幸せだ!』

と心から思える人生

いったいどちらの人生を歩みたいですか?

歩みたい人生は各々が選択することができます。
でも僕は絶対に前者になりたくありませんでした。

いつか訪れる最期の時に
病室のベッドに寝転がって天井を見上げながら

見送ってきてしまった楽しい出来事
後回しにしてしまった夢

そんな後悔を数えながら死んでいくなんて絶対に嫌でした。

このまま死んでしまいたくない…

「自由になりたい」

「自由になりたい!」

「自由になりたい!!」

そんな風に日に日に自由への憧れが募った僕でしたが
自由への憧れを決定付ける出来事がありました。

親友の死です。

NEXT > 第4話 どうしても自由がほしい